EE-2

1976. Mar : price export-yen Standard lens :Auto Miranda EC 50mm f1.8/f1.4
Focalplane Shutter : B,1,2,4,8,15,30,60,125,250,500,1000. size : -g 144 x 93 x 87

オートメックスタイプ筐体の最終型で、事実上の最終機である。
ECレンズにより開放測光可能だ。MIRANDA SENSOREX EE同様にスポット、中央下部重点の測光方式が選べる。
内部機構はリニューアルされシャッターフィーリングは劇的に改良された。
面白い機構としてはファインダーの脇に小窓が在り、小さなミラーを介してシャッターダイアルに刻印されたシャッタースピードを読み取る事が出来た。正像にならないのでシャッターダイアルには反転した数字が彫られているのがミソである。
ヨーロッパ圏にはMIRANDAEE-2のマニュアルは届いたらしいが現物が到着する事は無く、そのままミランダは倒産した。

国内インフォメーションはあったが輸出のみだったようだ、国内では知られていなかったと思う。
ブラックの他、少数のようだがクロームも有った。

最終的にミランダのマウント内側にはこれだけの機構が増えた。
（１）開放測光検知レバー（２）開放値検知レバー（３）自動露出連動レバー
専用レンズではEEオート撮影が可能で、連動ピンを装備したレンズでは開放測光可能である。もちろん、マウントコンバーターを介した場合も、いかなるレンズでも絞り込み測光が可能である。

ファインダー内情報は、上から
（1）測光切り替え表示（2）絞り込み測光の適正指標（赤点）*赤点の位置はバリエーションあり。（3）開放測光指標　赤いバーがせり上がって開放値を表示（絞り込み測光の適正指標（赤点）の位置はバリエーションあり。
開放測光指標の赤いバーが被らないように外側に表示がある

ファインダースクリーンはきめ細かく、中央のマイクロプリズムが二重円になって二重像合致させるというもの。スポット測光はほぼこの円の中の範囲である。
オートセンソレックスEEのたんなるバリエーションの一つか、と思って手に取ると違いが多くビックらするであろう。
実に細かくリニューアルされており機構も大幅に変わっているのでリニューアルというよりも新機種といってもよい。

しかしミランダの末期製品は、どうも問題も多く抱えていたようでもある

シャッターボタンにはdx-3と同じプラスティック製のロックがある。
このロックは、dx3同様、簡単に割れてしまい使い物にならないものが多い。プラスチックの材質に問題があるのだろう。また、電池室の蓋と電池のコンパートメントと同じ口径で、力を入れて蓋を閉めると鑞付けハンダが取れて電池のコンパートメントは陥没してしまう危険がある。
これらは、生産が続けられていれば改善されていったであろうが、造りこみが甘い部分などが目につき、カメラ製造を20年もやってきているミランダなのに手慣れたところがなくなっている、と感じるのは気のせいではあるまい。

このモデルの生産数はとても少ないと考えられ、とくにクロームボディーはかなり少数と思われる。レッドデータ・ミランダでは5本指にはいる稀少モデルである。だが、例によって価値はない。

万が一使う場合に備え仕様を解説しよう
【オート時のASA感度とシャッタースピード】
ASA25-1sec、ASA50-1/2 、ASA100-1/4 ・・・と、一段毎に測光可能スローシャッターが狭まる。
例えばASA400では1/15以下に設定できないので力任せな無理をしない。マニュアル時に、任意のスロースピードに合わせたい場合はシャッターダイアルの中央にあるボタンで解除可能だ。

下のEE-2のオーナーは、もともと付いていたアイカップがあるとせっかくの読み取りファインダーも役立たず
「？なんだこりゃ」と思ったそうだ。
しかし、黒いEE-2は重厚で非常にかっこいいですなあ。

この、お花をバックにした写真は「スープリーム105mm」で撮影されているのだ

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