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-Illustration courtesy and text by Kagemaru -影丸さんのZunowとMirandaT・解説 と作例

 

影丸です。 ミランダにはまってさあ大変...じゃなくてはや1年半。
恐れ多くもミランダT(Miranda Name)とZUNOW5cmF1.9が手に入っちゃっいました。 せっかくですのでリポートしてみました。

ZUNOW5cmF1.9「Zunow Opt.Japan No110xx」
初期のレンズの銘板は「Teikoku Kogaku Japan No.xxxx」となっているらしい(これはクラカメ専科No.64に写真が掲載されていた)。

言わずと知れたズノウ。ミランダTに採用された標準レンズであります。
手に入れた物は当初からのセットかどうかわからないが、ミランダTの製造番号が556xxx。

ZUNOW 50mm f1.9
レンズ構成は変形ガウスタイプ5群7枚F1.9〜F16 外観はクロームメッキ。
胴鏡距離表示はフィート(3フィート以下は「"」インチ表示) 重さ約230g、マウントはねじ込み式44mmでフィルター径は40.5mm。
絞りはプリセット絞りで絞り羽根は12枚で円形に近い。


コーティングはブルー系のモノコーティング。 この時期はレンジファインダー系レンズの雰囲気がかなり残っていてかっこよいです。

昭和30年9月号の写真工業誌、「プリズムレフミランダ」by荻原彰(社長)によると
「...このレンズはズミクロン・タイプの7枚構成で、周辺光量が大きいのでカラーに最適....ガウスタイプに較べて収差の補正が十分出来、絞りによる焦点移動が少ない。」と書かれているとのこと。

ズミクロン50mmF2と比較しても案(ママ)に負けていないと言っているのでしょうか。
多分1953年5月に発表された初期のLマウントズミクロン沈鏡胴50mmF2をさしていると 思うのですが、レンズのカットモデルを見ると両者のレンズ構成はよく似ています。 ライカ発表資料によると豊かな周辺光量、開放絞りでも周辺まで全面にわたってコントラストが充分で輝きのある画面 と、やはり周辺光量の豊かさ、コントラストを唱っています。

実際の写りで感じたこと

私が特に思ったのは近接撮影がとてもいい感じだと思うところです。
16インチ(40.64cm)が非常に魅力です。ただしヘリコイドも350度ぐらい回転しますが、この点はその後のソリゴールミランダやアルコも引き継いでいますね。

近接指向が強いズノウ50mmf1.9

ズノーは近接撮影の魅力を「ポートレイトから高山植物一輪迄カラーで連写ができます。」 と当時の広告に唱っており
レンジファインダーでは容易になしえなかった野外での近接撮影など、一眼レフのオールマイティーさをアピールしている。


この当時、主流のレンジファインダーではここまで(最短距離16インチ=40.64cm)寄ることはできませんでした。
比較にはならないかも知れませんが、後期のタイプの固定鏡胴ズミクロンM50mmF2とM3の組み合わせとミランダTとZUNOW5cmF1.9の組み合わせでネガで試写してみました。

ZUNOW 50mm f1.9

zunow_Image01.jpg..........

...........zunow_Image02.jpg

.zunow_Image03.jpg.........

...........zunow_Image04.jpg


ついでにSoligor 50MM f1.9とも比較してみました。 やはりズミクロンM50mmF2はよく写りますね。基本的に開放近辺で撮り比べしてみました。

比較アルバム へ!!

 

なんだかんだ?と言ってもこの鏡胴のクロムメッキのかっこよさが一番ですね。
一眼レフのレンズとは思えません。 近接のおもしろさもあるし、とっても幸せにさせてくれるレンズだと思いますよん。

 

ZUNOW 50mm f1.9 and SOLIGOR 50mm fi.9
(Click !! Illustration )

 

影丸

02/10/01 Ver-1.01 : 02/10/09 Ver-1.20 : 02/10/22 Ver-2.08

 

1922年 帝国光学工業株式会社成立
1953年 9月 ズノー50mmF1.1発売
  秋 フェニックス試作発表
1954年 オリオン精機発足
1955年 8月 ミランダT(Orion Name)標準レンズZUNOW5cmF1.9付き発売
1956年 ズノー光学工業株式会社に社名変更
ズノー50mmF1.1タイプII 50mmF1.3 35mmF1.7 100mmF2 発売
  ミランダT-II発売
1957年 オリオンカメラからミランダカメラに社名変更
1958年 4月 ズノーカメラ発表
1961年 1月 ズノー光学工業株式会社倒産

*ズノウとオリオンが直接には関わりのない会社であることをお断りしておきます(MSJ注)

他のズノー製レンズで1959年製ネオカSVデラックスに使われた4.5cm f1.8があるので比較してみました。こちらはフィルター径43mmコーティングはなし。レンズ構成は不明。 位置づけとしてミランダT用の方がかなり高級品のようです。

 

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2002-12-10