Last up date 08/05/26 07/04/07 ー03/02/18

ZUNOW , ARCO , OFUNAR , PROMINAR , SOLIGOR MIRANDA , AUTO MIRANDA - 50mm STANDARD LENSES
Preset type Lenses
50mm f1.9

fig-1fig-2
fig1/Illustration courtesy of Miranda collector of Ono-japan/ fig2/ Illustration courtesy of Miranda collector of Kagemaru-

Soligor miranda とZunow. 50mm f1.9ズノウ、ソリゴール、オフナーについてレポートKagemaru's ZUNOW Impressions !!

fig-1:フジタ製造のソリゴール。そしてズノウ製造のズノウ。いずれも50mm標準レンズで、プリセット絞り、44mmネジマウントである。feet表示。
レンズ構成はズミクロン・タイプの7枚玉で、カラーバランスに留意された設計であると記載されている。発売の時点では世界最速の一眼レフ用レンズと紹介されるが、これ以前にあったエキサクタ用クセナーもf1.9である。最短16inc(約40cm)、360°近く鏡胴が回転する。
fig-2:オフナーとズノウを比較する。このふたつは双子と言っていいと思う。
外観にごくわずかな外観の違いがある(ローレット部分に注目)。
どちらも「麦色」のアンバー、シングルコーティングのようだが、中玉のコーティングに違いが見られる。

ソリゴールでは真っ青なコーティングが目を惹く。フジタによく見られる例の青色である。コーティングは重要視しないのだが…、ちなみにズノウにも「青い」コーティングがある。コーティングの色については、たまたまコーティング剤が同じだったかもしれないし、当時はコーティングを専門にするメーカーもあったと聞くのでコーティングの色はメーカーを特定するファクターではないと思う。
単体で販売されていたのかどうかは不明だが、ミランダにセットされたのはズノウ、オフナー(M)、ソリゴール(Y)の順ではないかと考えている。
ソリゴールの鏡筒は、当時販売されていたフジタの35mm用交換レンズと共通したデザインである。

ズノウは大口径レンズを得意とするメーカーで、50mm f1.1は大変有名なのだが、f1.3というスペックのレンズもあった。
このf1.3のレンズはレオタックスとセットで売られておりレンジファインダー専用であると思われたが、なんとも興味深い資料がある。資料といっても、1956年の「写真サロン」誌、別冊「国産優秀レンズはどれか」という当時普通に売られていた雑誌なのだが、ここにズノウ50mm f1.3のインプレッションが掲載されている。
それによるとズノー50mmf1.3は「ミランダ(とレオタックス)用に開発された。」というのだ。

知られていないZUNOW.... 幻の大口径

「一眼レフミランダ用の特殊設計のレンズで...」という記事。
だが、ミランダマウントは発売されたと言う話は聞いたことがない。しかし、この雑誌にテストリポートがあるので存在はしていたようにも思えるが残念なことにミランダに装着された写真はないのだ。
こうして記事があるのだから実際出る企画があったのだろうが、現物のないままの架空レポートだったのだろうか?

レポートを抜粋すると、「...一眼レフミランダ用の特殊設計のレンズで、40cmまで接写が出来、接写しながらボケの効果を確かめることが出来、浅い焦点深度を利用した特殊な表現...」
一眼レフ用というだけで特殊レンズ扱いだが、この当時の常識では無理もあるまい。
この「40cmまで接写が出来」はf1.9と同じなのだが、まさかf1.3の代わりにf1.9を使ってレポートが書かれた、なんて事はないだろうか?
さらにテストレポートは続くが、「...多量のコマフレアがあり、F2.8に絞ると消える。」というのはf1.1のレンズを彷彿とさせる。
実際 Lマウントのズノウf1.1とf1.3は 同じものであるという。
前玉を替えて、f1.3としているというのだ…。f1.1の歩留まりの悪さや、なによりf1.1は国産レンズの金字塔ではあったが雑誌のテスト記事での評価が芳しくない。そして高額なため販売が伸びず、残った仕掛品を廉価版として売りさばくような企画であったのかもしれない。
このレンズがミランダ用であったという話はおそらくこの記事だけである、それにしてもいつの間に埋もれてしまったのだろうか?
この号の広告によると「レオタックス付き¥69,000」だった。同時期に発売されているf1.2付きのキヤノン VTが10万円以上していたのだからf1.3付きレオタックスの69,000円は魅力的な値段と思うが、それでも売れなかったのであろう。それ故いまでは超希少のレンズである。

フジタについて

ソリゴールミランダの製造メーカーのひとつでは?と目される藤田光学工業は、Fujita66というブローニー判一眼レフのメーカーでも有名だ。
フジタのラインナップにはブローニーカメラ用だけでなく、35mm一眼レフ用交換レンズがあった。いまではフジタールの交換レンズを見ることは難しいのだが、カタログや広告で見る限り多彩な品揃えで評判も良かったようだ、外観はミランダソリゴールと同じである。
フジタのカメラはソリゴールブランドで売られていたこともあり、取り扱い商社のカラミから関係はあったのだろう。
フジタ系のプリセットの仕組みは、ハッセルブラッドのCレンズに似たもので、ボタンを押してあらかじめセットした絞り値を記憶しておく事が出来るプリセットである。

135-35.jpgfig-3:ミランダソリゴールの交換レンズ

フジタ66のマウントはピッチが異なるがミランダと同じ44mmである。
ミランダの44mmマウントはエキサクタのアクセサリーの中間リングとまったくおなじである。44mmは当時アルパも採用しておりユニバーサルな口径であったのだろうか?、なお、フジタ66レンズには各種一眼レフ用のマウントアダプターがあり、もちろんミランダ用マウントアダプターもあった。

ミランダのM44ミリマウントのプリセットタイプレンズは自動絞りのレンズが発売されてもしばらくはカタログに載っており並行して販売された。
ところで、当時のフジタレンズの評価だが、ポートレイトでは肌が透き通るようでカラー撮影に向いているという記事が見られた。

初期標準レンズの分類研究はMHSのサイトが詳しい。Miranda Historical Society

さて、プリセット、ネジマウントからいよいよ自動絞り、バヨネットマウントへリニューアルされる。
時系列的にはこの後PAD自動絞りレンズが掲載されるべきだが、その前に1950年代最後に国内販売されたMIRANDA S、Dに付けられていたプリセットタイプの50mmF2.8を紹介する。
このレンズは廉価タイプに位置する。

Preset type 5cm f2.8
フィルター径は40.5mm、アルミ鏡筒アルマイト黒色仕上げである。
コーティングは青系で美しく、MTナンバーはマゼンタ系、Tナンバーはブルーのコーティングだ。
振り子型のレバーで 絞りをプリセットする。このレンズはたぶんフェニックスに付けられたテッサーのデザインのままだろうと思うのだが、どうだろう?外観は黒の他、ブロンズのようなもの、クローム仕上げがある。Tはテッサーの意味なのだろうか?
シリアルナンバーにはアルファベットがついており、Miranda Sでは「T」、Miranda STでは「TA」、クローム鏡筒が「MT」である。
細かい部分は違いが多く、御覧の通り二卵性双生児である。

f2.8



このレンズも50mmf1.9同様最短16inc、0.4m付近まであり、360°近く鏡胴が回転する。

 

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